臨床試験を円滑に進めるうえで、被験者の確保は最も重要かつ難易度の高い課題の一つです。試験計画がどれほど優れていても、必要な被験者数を確保できなければ、試験の遅延や中止につながる可能性があります。
本記事では、臨床試験における被験者確保の課題を整理したうえで、主な確保方法や注意点、関連サービスについて解説します。
臨床試験の被験者確保における課題
臨床試験における被験者とは、試験薬の投与や検査を受け、その有効性や安全性の評価に協力する参加者を指します。被験者は「健康な成人」を対象とする場合もあれば、「特定の疾患を有する患者」を対象とする場合もあります。
被験者確保における主な課題として、以下の点が挙げられます。
・参加条件の厳しさ
年齢、性別、疾患の重症度、併用薬など、細かな適格基準により対象者が限られる
・臨床試験に対する理解不足
副作用への不安や治験への誤解から、参加をためらう人が多い
・医療機関側の負担
医師やスタッフの業務負担が大きく、積極的な募集が難しい
・募集期間の制約
一定期間内に必要人数を確保しなければならないプレッシャー
これらの課題を解決するためには、複数の募集手法を組み合わせ、効率的に被験者を確保する工夫が求められます。
【臨床試験】被験者確保の方法

被験者確保の主な方法としては、「医療機関内での募集」「広告・Webを活用した募集」などが挙げられます。
医療機関内での募集
最も基本的な方法が、医療機関内での募集です。主治医が診療の中で適格条件に合致する患者に試験を案内し、同意を得たうえで参加してもらいます。患者の病状を把握している医師から説明が行われるため、安心感が高く、適切な被験者を確保しやすいというメリットがあります。一方で、対象となる患者数が限られる点や、医師の負担が増える点が課題です。
広告・Webを活用した募集
近年、被験者確保の手法として重要性を増しているのが、広告やWebを活用した募集です。治験・臨床試験の募集サイトやSNS、検索広告などを通じて、広範囲から候補者を募ることができます。特に健康成人対象の試験では、Web募集が効果を発揮します。ただし、広告表現には厳格なルールがあり、誇大表現や誤解を招く内容は認められていません。
確保するためのポイント
被験者を効率よく確保するためには、以下のポイントが重要です。
・分かりやすい情報提供
試験内容、期間、副作用の可能性などを明確に伝える
・参加者目線での設計
通院回数や拘束時間をできるだけ抑える
・負担軽減費の適切な設定
参加者の負担に見合った設定を行う
・早期からの募集計画
試験開始前から十分な準備期間を確保する
臨床試験の被験者確保における注意点

被験者確保にあたっては、倫理性と安全性を最優先に考える必要があります。
・被験者保護の徹底
インフォームド・コンセントを適切に行い、参加は常に自由意思であることを保証する
・個人情報の管理
応募者の個人情報は厳重に管理し、目的外利用を行わない
・副作用への対応体制
万一の有害事象に備え、医療機関との連携体制を整える
・法令・ガイドライン遵守
GCPや関連法規を遵守した募集を行う
これらを怠ると、試験の信頼性低下や社会的信用の失墜につながるため、慎重な運用が求められます。
臨床試験の被験者を確保するためには
臨床試験の成功には、計画的かつ倫理的な被験者確保が欠かせません。医療機関内での募集とWebを活用した外部募集を組み合わせることで、確保の可能性は大きく高まります。また、専門サービスを活用することで、効率化と品質向上の両立が可能になります。
被験者確保に課題を感じている場合は、「治験GO!」などの支援サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
「治験GO!」について
「治験GO!」は、臨床試験・治験の被験者募集を支援する専門サービスです。Webを活用した効率的な募集により、健康な成人から疾患を有する患者まで、幅広い被験者層へのアプローチが可能です。応募者対応や事前案内の仕組みも整っており、医療機関や企業の負担軽減に貢献しています。
メディカル・アート・ラボラトリーについて
メディカル・アート・ラボラトリーは、1990年の設立以来、30年以上にわたり医療分野における検体検査を中心に事業を展開してきた企業です。血液検査をはじめとする豊富な検査実績と技術力を強みに、医療機関や製薬企業と連携し、臨床試験・治験を多方面から支援しています。
臨床試験分野では、検体測定業務に加え、被験者募集支援や試験運営のサポートにも対応しており、被験者確保という課題に対して実務的な支援を提供しています。
